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中川一政画伯のこと

先先日のNHK日曜美術館だったと思いますが、生前の中川一政のアーカイブをやっていました。97歳まで生きた画家でしたが、90何歳か誕生会の挨拶に、画伯は持ち前のひょうひょうとした面持ちで〔とにかく生きているうちは、生きていないと・・・〕と云った言葉に会場から笑い声が起こったのです。画伯は心外な表情をし〔何か可笑しいですか?〕と会場を見渡しました。確かに言葉としては〔生きているうちは生きていないと〕はおかしいのでしょう。画家としては〔生きている〕ことはすなわち〔描くこと〕なので大真面目でいった言葉を笑われてちょっとむきになったようです。あるいは〔生きているうちは描かないと。。。〕といったつもりだっだかもしれません。私は〔生きているうちは生きていないと・・・〕という言葉のほうがより強くその心情を表していると思いました。いかにも中川一政らしい名言と思います。

画家はまた大変ユーモァー精神を持っていた方らしく、これもテレビで聞いたものですが、一緒に写生に出かけた弟子達が自分の大事な溶液をやたら使うのでしゃくに障りいたずら心でおしっこを入れておいたという話は私の気に入りのエピソードです。

向上心に溢れ、文筆、書でも一流だった中川一政。作品もさることながら最も魅力的なのは画家本人の人格だと私は思っています。

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向日葵とスペイン壷  中川一政

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絵画」カテゴリの記事

コメント

「生きているうちは生きていないと、、」面白い言葉ですね。いいたい気持ちの方が言葉より前に出たと言う感じ。おぎなって聞けば問題なしでしょうが、聞く方におぎなう力があるか、あるていどの境地がいるということではないでしょうか。
 関連して思い出した話です。万博公園の「太陽の塔」の制作者、岡本太郎が昔「国立美術館で私は発見した!縄文土器を!」とさけんだ。これを聞いてある人が、岡本太郎が、またわけのわからんことを言っていると思ったそうです。しかしその後、彼の作品を見て「縄文土器の美、火炎式土器の生命力を発見した」と言いたかったのだと気づいたそうです。

 中川画伯といえば向田邦子が、その書を愛していましたね。いい絵を見たり、いい文章を読んだりしていると知らず知らずに、この人どんな人柄かなと考えてしまいます。いい人だったら安心しますね。
ちなみに私は男です。ややこしいHNですみません。いまだ信念、不動心と縁のない人間ですから漂う舟です。

投稿: 浮舟 | 2013年1月 7日 (月) 12時02分

浮舟様

まず先に、勝手な思い込みの為女性と勘違いしてしまったことをお詫び申し上げます。
なぜ浮舟さんをすんなりと女性と判断したかといいますと、源氏物語に登場する女性の名がとっさに思い浮かんだ次第で、男性とはつゆほども疑いませんでした。思い込みの激しいのは昔からです。お許しください〔汗〕

中川一政は作品 人格ともに好きな画家で私は若い頃彼のスケッチ場所を画集ですればそこを訪れ同じ場所からスケッチしたくらいで、今でいう〔追っかけ〕でした。
有名人でも一政に魅せられた方々が多いですね。緒方拳なども書を習いにアトリエに通っていたようです。
重厚な人間を評して、〔いぶし銀のような〕とよく言われますが、私は中川一政という画家はいぶし銀のような画家だと思うのです。

投稿: おキヨ | 2013年1月 8日 (火) 00時57分

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