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Tさんの他界

昨年の夏、30年来の、絵の恩師であり、先輩であり、友人でもあったTさんが他界してちょうど1年経ちました。83歳でした。Tさんは50代のときに、近所の団地へ東京から越してきたのです。私は当時絵をもっと深く勉強したいと思っていましたので、これ幸いとばかりにTさんのアトリエを訪ねました。まだ地元に馴染んでいなかったTさんはとても歓迎してくれ、そこで同年のKとも知り合い、Tさんと、Kと、私は師弟関係というより友人関係という色合いのほうが強い付き合いをして来たのです。ざっくばらんな性格の人にありがちな率直で飾らないTさんの言葉は、絵を批判するときに最も発揮され〔その沢庵色はみっともないよ!〕とか〔大体そんなモチーフを描こうというのがおかしい!〕とか、思いどうりにならない2人の女に腹を立て、まだ40代だったKと私にたいして〔○○ーの〔出身地〕ー〕ババァというような暴言も。。。しかし私とKも負けてはいず、愛用のベレ帽ーを置き忘れたりすると〔ホラ、ホラ、禿隠しを忘れたョ〕とやり返したりしたものでした。

展覧会は必ず観てくれ、必ず手厳しい批評を。。。何も知らなかった昔、受賞して喜んでいると〔もうみんな貰っちゃって上げる人がいない賞がまわってきただけのことなんだ。絵が良いわけではないよ!あぁ、いくらでも本当のことをいってやる。。。〕これは事実だったのですが、そのときは本気で不愉快な思いをしたりもしました。

もう彼のように率直な意見を言ってくれる人は誰もいなくなりました。。。

Tさんを亡くし、1年経って、私の団地と彼の団地の境い目にある白い十字路に差し掛かると不覚にも涙がこみ上げます。この道で向こうからTさんの車と幾度か鉢合わせし、年の割には童顔の笑顔が手を振っていたのを思い出すのです。

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