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歴史に見るカニバリズム

先日亡くなった同郷の作家、三浦哲郎の作品を追悼の意味をこめて数冊読んでいます。先ほど57年に書かれた〔おろおろ草紙〕を読み終わりましたが、作家自身書く事がためらわれ幾度か筆が中断したというほど凄まじい、東北地方の〔天明の大飢饉〕を歴史に基づいてかかれたものです。

物語は、南部八戸藩の天明の大飢饉の際の地元に起きた地獄絵図を、十六文隊と名づけられた鉄砲隊、小十郎を通して日誌風に書かれた中編です。作者は歴史の事実を、特徴である端正な文体で、飢えた人間は最終的に〔共食い〕にいたる事実を書いてあるのが余計にそのおぞましさを浮き上がらせています。

私もこの土地に生まれ育ったものとして、大飢饉に見舞われたこの地の歴史の語る切れ端ぐらいは聞き及んでは居ましたが、あくまで〔怖い昔話〕として受け取っていたものです。しかしそうではなかった、ということがぞっとするほど肌身にせまる思いをさせられる物語となっています。小説の中では実家周辺や馴染み深い場所、地名がいたるところにちりばめられていて、これほど複雑、かつ身近な思いで本を読んだのは過去にありません。。。

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雑記」カテゴリの記事

コメント

ソソッカシイ私は初めて見たタイトルの言葉だけで「カニをバリバリ食べる主義」か?と思ってしまいました。
実はなんともシリアスな言葉なんですね。
人が生き抜くための究極の手段として、選択せざるを得ない、この種のことは沢山の実例があるようです。
私がこれから読もうとしている『アンデスの奇蹟』もそうしたドキュメントのようです。

投稿: 風花爺さん | 2010年9月30日 (木) 09時27分

風花爺さん様

確かに、この横文字は普段目にしないもので、〔リズム〕とあらば〔カーニバル?〕という発想にもなります。
私は猟奇的な映画、本などでこの言葉に見覚えがありましが、〔おろおろ草紙〕はもっと直接的な〔共食い〕で表現されています。

〔アンデスの奇跡〕は有名な実話で生還した人物が現在もお元気でいられるのを先日テレビで観ました。こちらのほうは感動のほうが大きいようですね。
人はまず〔生きなければならない〕のですから。。。

投稿: おキヨ | 2010年9月30日 (木) 11時07分

この記事を読んで私は或る事を思い出しましたねぇ・・
それは私が中学の時、社会科の教科書に載っていた一枚の写真、題して「松の皮を食べる東北の子等・・」
時代背景としては昭和の初め頃に起きた東北の冷害による大飢饉の参考資料だったと思います。

その頃は飢饉に伴う「娘の身売り」も東北地方は圧倒的に多いですよね・・

昭和の時代でもこの有り様ですから、ましてや江戸時代・・人肉をあさるも、考えられなくもないですよネ

投稿: 伊藤 | 2010年9月30日 (木) 19時57分

伊藤様
東北地方は昭和のはじめまで飢饉に苦しめられたのです。やませといわれる冷害に周期的に襲われていたんですね。この時代では娘の身売りが有名ですね。二束三文で我が子を遊郭や大店の小間使いに売ってしまうんです。子殺しもあったそうですが、昭和の飢饉ではさすがに〔共食い〕の話は聞きません。が表面に出なかっただけかも。。。

口に入るものなら雑草でも食べたという事です。

そんな昔じゃないのに今では無駄にものを食べたり捨てたりですね。
飢饉という言葉じたい死語でしょう。。。

投稿: おキヨ | 2010年9月30日 (木) 20時45分

昭和の大飢饉(7~9年頃)について、小説を書きました。原稿用紙換算40枚。もちろん、身売りについて。
東北出身でもない僕は、完全想像上で書きました。東北弁らしく、かつ、わかりやすく書きました。おもしろく、まじめだけに終わらないように。
「おろおろ草紙」は書き上げてから、読み、小説に追加しました。「昭和東北大凶作」山下文男著を参考にした。

投稿: つの ゆたろう | 2010年10月26日 (火) 18時41分

つの様が書いた小説読みたいです、出版して下さい。

投稿: 伊藤 | 2010年10月27日 (水) 04時28分

つの ゆたろう様

コメント有難うございます。小説家でいらっしゃるんですね。
御作品を拝見したいのですが、出版をされておりましたら、出版会社名をお知らせ願えたらと思います。
出版前でしたら、拝見できる方法をお教え願えたら嬉しいのですが。。。
とても興味がありますのでよろしくお願いいたします。

投稿: おキヨ | 2010年10月27日 (水) 10時34分

伊藤様
ただいま、つの様にその旨をお願いいたしました。
無名の小説家も〔・・とおもいますが・・・〕こうして努力していらっしゃる事を知るのは嬉しい事ですね。
つのさんのお返事を待ちましょうnote

投稿: おキヨ | 2010年10月27日 (水) 10時41分

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