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川端康成の話〔池部良のエッセイ集から〕

女優高峰秀子さんが亡くなられたときに追悼の意味で著書を5巻読みました。昨年10月に池部良さんが92歳で亡くなられました。両氏は優れた文筆家としてもよく知られています。高峰さんの本を読んだからには池部良さんの本を読まないというのは方手落ちというもの。ただいま〔舞い舞い風〕と云う彼のエッセイ集を読んでいますが、独特の視線と江戸っ子らしい洒脱でセンスのいい文体は味わい深いものがあります。

中に〔島村の謎〕という項目があって池部良が川端文学〔雪国〕の映画化にあたり、駒子を演じる岸恵子と一緒に川端家を訪問したときのことを書いてあります。

ふと先生の手元を見た。先生の両手10本の指は、岸君の左手を包んで、上になっているお手が彼女の手の甲を静かになでておられる。僕には先生に、彼女の手を擦らないでください、と文句をつける権利はない

先生、僕、いえ私〔雪国〕を何度読んでも、読み方が浅いでしょうか、”島村”のことがよくわかりません。島村について具体的なご教示を頂けたら有難いと思います。〕と言ったら〔それはですね、あたしもはっきりとは書いていません。どういう男かもはっきりしません。ただああいう変な人が居ないと駒子がきゃきゃ悩む事ができません。池部さんがこれだと思う人物を作っておやりになってください〕と言われた。   完成試写の日、豊田監督が〔いかがでしたか〕と尋ねたら〔島村はああいう人でしたか。結構でしたよ〕とおっしゃったそうだ。  映画の島村は僕が創った島村だと鼻を高くしている。。。

この箇所をそのまま書き写しました。  ノーベル賞作家、川端康成の一面がみえてなかなか面白いですね。

Kawabata

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