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佐藤忠良逝く

巨星落つ。。。 未曾有の大災害で日本が揺れるさ中、彫刻家の第一人者佐藤忠良が3月30日98歳で亡くなられました。具象彫刻でこれほど親しみ易く、それだけに高度な技術をもった作家は他にいません。忠良の卓越した人体デッサンはモデルの内面まで描く凄さで、私なども画集をもとに大いに参考にしたものです。

私の友人で今年90歳になる彫刻家が居るのですが、彼の自慢は〔佐藤忠良のアトリエに行ったことがある〕ということで、何度もその話を聞かされているうち、私までが忠良に特別な親しみを感じる錯覚を覚えたものです。友人の話では、忠良はごくごく普通の人で、これが日本最高峰の彫刻家?と思うくらいざっくばらんで〔特別な人〕というイメージを感じさせない人だったそうです。

〔枠に入って枠より出よ〕は佐藤忠良が美術を目指す学生を前に云う言葉だそうです。エキセントリックな事を個性と思う今の美術の風潮に警鐘を鳴らす言葉だと深く頷けます。〔自分ごとですが私、枠に入ったはいいのですが、いつまで経っても出よにならなくて泣いている始末です。〕

気高く透明感のある佐藤忠良の作品は各県の代表的な美術館にいくと大概見られるのではないでしょうか。それほど日本人の心に沿った彫刻家と思うのです。

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日々のつぶやき」カテゴリの記事

コメント

現代彫刻についちゃ全く疎い私ですけれど、この方は存じ上げております。
プロ野球の王さんの頭像! それから「帽子・夏」。これを私は、かつて展覧会か何かで見る機会を逸した覚えが・・・(痛恨!)
 
おキヨさんをはじめ、洋画を描く方々からも、憧れの人!だあったワケですね。
こうして改めて見てみると、なるほど健やかで、とても日本的な風合いを感じさせられますね。(ド素人眼の感想ですけれど^_^;)

投稿: もとよし | 2011年4月 3日 (日) 23時34分

はじめまして。
ブログをいつも楽しく読ませていただいてます。

佐藤忠良氏、彫刻家としては知りませんでした。
・・・が、名前に聞き覚えがあり、一生懸命考えて思い出しました。
小学校1年生の教科書に載っていた「おおきなかぶ」の挿絵を描かれていたのです。
ロシア風の挿絵がとても斬新に感じて、大好きでした。
「おおきなかぶ」の初刊が1952年ですので、30代の頃に描かれた絵本の挿絵が今もまだ愛されてベストセラーとして書店に並んでいるのは本当にすごいことだと思います。
今度は彫刻も見にいきたいと思いました。
ありがとうございました。

投稿: みのまま | 2011年4月 4日 (月) 00時26分

もとよし様
そうなんです。彫刻に疎くてもという方でも知っているのが佐藤忠良なんですね。〔帽子、夏〕という爽やかな作品は大抵の方が美術館でなくとも、雑誌などどこかで目にしている代表作品ですね。

まっすぐなゆるぎない具象です。これほど高い職人技をもつ芸術家はそうはいないのではと思います。

体力の要る仕事です。98歳まで・・・驚異的ですね。。。

投稿: おキヨ | 2011年4月 4日 (月) 01時23分

みのまま様
ようこそおいでくださいました。有難うございます。

そうです、そうです。童画も描いていますね。そうでしたか。小学校の教科書の挿絵も描いていたんですね。それは知りませんでした。ユニークは挿絵もしっかりした基本から出来るもので、おそらく何を手がけても一流のものになると思うのです。

これからは回顧展も頻繁に行なわれるかもしれませんのでぜひ美術館に足をお運びください。

そうそう、佐藤オリエという女優さんは娘さんです。

投稿: おキヨ | 2011年4月 4日 (月) 01時38分

おキヨさん
 どのブログを見させて戴いても、こんなに自分をはっきり分析できる方に出会ったことがないと感嘆をしています。
 佐藤忠良さん、安野光雅さんともうおひとり・、で編集された「現代の美術」現代美術社刊 と云う小学校中学校の検定教科書を、短大の図画工作教育法の講義にテキストとして何年か使ったことがあります。 そのあとがきに≪この教科の目標はと断りがあって「絵や工作を一生懸命やっているうちに、君たちは、人がどれほど素敵か、自然がどれほど偉大かが、ひとりでにわかって来ます」とあったのを思い出します。
 また、佐川美術館で沢山の佐藤作品にも触れました。≪帽子・夏≫もありましたよ。これは3年ばかり前の話です。素敵な美術館でしたが、もう一人のコレクションが日本画の平山さんの作品でしたのでがっかりもしたのでしたが。
 いずれもコレクションだったと記憶します。
 同じコレクターが…。

投稿: 風の樹人 | 2011年4月 4日 (月) 12時19分

風の樹人様
拙ブログを過大評価していただき汗顔の至りです^_^;
確かに佐藤忠良、安野光雅といえば、作品、その姿勢からして教育の場に相応しい芸術家と言えますね。
早くから本物を観る目を養うという教育方針があれば日本人ももっと芸術に馴染めるのではないかと思うのですが、日本の一般教育はなかなかそうはなりません。

日本の優れた芸術家がこうして一人ずつ消えていくのは本当にさびしい限りです。思えば私が若い頃はきら星の如くに存在した偉大な芸術家の創作したての作品に触れる機会がずいぶんありました。贅沢な時期たっだと思います。


投稿: おキヨ | 2011年4月 4日 (月) 20時31分

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