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究極の(平等)

昨日は田舎のお団子やのお婆ちゃんが、お団子を買いに行った私達夫婦に対して、客を客とも思わない態度に最初あっけにとられたことを書きましたが、それは売り手は買い手に対しへりくだった態度で臨むもの・・・という固定観念で考えるからで、おばちゃんはこの商売やに嫁してから長いこと客と対等な上州訛りで接してきたのです。彼女はこの地方の言葉以外で語ることを知らず、他県の方には少し乱暴に聞こえる上州弁だけで何ら不自由はなかったのだと思います。なまじ敬語を使おうとすれば会話が成り立たないことを承知しているのでしょう。

昔はそういうお年寄りはざらでした。

ここで突然に昭和天皇の話になりますが、昭和天皇はたくさんの微笑ましい、またはユニークなエピソードを残された方です。中でも私の最も好きなエピソードは那須御用邸の庭師とのささやかな交流の話です。以前にもこのブログに書いた記憶があるのですが、ご存じない方のために再び。。。。

御用邸に出入りする庭師は地元の人間で、彼は大変に朴訥な人。誰に対してもおおよそ敬語というものを使ったことがありません。庭の樹を手入れしているこの老いた庭師に天皇が声をおかけになると、全く敬語なしの方言で返事が返ってきたというのです。陛下はことのほかこれをお喜びになり、彼が居ると積極的に声をかけられて、同年代の庭師との対等な会話を楽しまれたということでした。。。

天皇と庭師の間にきっと暖かい人間的なものが流れていたに違いありません。。。想像するだに心温まる素敵なエピソードですね。

敬語は社会人として必要ですが、それ以上に大切なこともある、ということを昭和天皇と庭師の会話で知ることが出来ます。

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浅間山P15号 途中経過

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日々のつぶやき」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。素敵な絵ですね。恐れ多い御話で、ありがたく拝聴するしかありません。

投稿: アワムラ | 2012年4月 5日 (木) 03時18分

大変いい御話ですねぇ・・陛下におかれましては終戦までは現人神などと崇められ、御内心は大変御窮屈な思いをされることもあったでしょうに、そして終戦によって「人間宣言」をなされ、或る日対等に自分と喋って呉れる一人の老庭師と出逢う事が出来た・・それが陛下の御心が癒されるひと時だったのでしょうねぇ。

投稿: 伊藤 | 2012年4月 5日 (木) 07時22分

アワムラ様

ありがとうございます。ここまで描いても完成に至らないことがあります。あとひと踏ん張りですね(^^ゞ

昭和天皇はとても魅力的な方でしたね。私の世代は〔天皇様〕といえば今天皇より先に昭和天皇の御顔が先に浮かびます。

投稿: おキヨ | 2012年4月 5日 (木) 10時48分

伊藤様

境遇が文字どうり天と地の差がある同じ年代同士が、ひっそりと交わした、おそらく他愛ない会話、想像が膨らみます。
このエピソードが世に出たということは侍従が居たということになりますが、庭師にあえて注意はしなかった、これもまた素敵ではありませんか。


昭和天皇は植物学者でもいらしたので、植物に詳しい二人の会話はさぞ弾んだことでしょうね。

投稿: おキヨ | 2012年4月 5日 (木) 11時10分

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