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素朴派 じつはしたたか者?

素朴な絵で日本でも大いに人気のある、フランスの画家アンリ・ルソー〔1844年〕について、今までの画家のイメージを覆すようなことが書かれている小誌を大変面白く読みました。

ルソーはその作品で、子供のように無垢で純真な精神の持ち主とイメージされていますが、実は相当なしたたか者であると、画家を研究しているうちに解ったというのです。彼は他人の絵の構図をそっくり頂いたり、刑事事件を起こしたり、偽りの自伝を他人に話して知らん顔をしているような人物であることが資料の上からも事実であることが分かったのでした。

だからといって、ルソーの人々を引き付ける精神性の高い〔素朴絵〕が変わるものでもないでしょう。他人の絵をちゃっかり頂いて、それ以上の絵に仕上がるのならそれは画家として腕のあることを証明しているのです。

今では、ルソーの絵が実際にその場所に出かけて描いたものではない、丸ごと作り物だということはすでに知られていて、稚拙に描かれたものが偽り、じつは相当な凄腕の持ち主でもあるというのです。世を欺むいて、純真で無垢な精神を持った画家として世にデビューするのに成功したルソーを貴方は嫌いになるでしょうか?絵というものは描く人の人間性を否応なしに表すものですから、どの様に暴かれようがルソーはやはり作品にみる様な精神が根底にあるのだと思います。

数年前に、有名画壇のある画家がイタリアの画家の絵をそっくり真似て描き、非難の嵐になったことがありましたが、彼の場合自分の力量が出せずに、ただの〔真似〕に終わったことが悲劇?だったのです。ルソーのように誰の構図を頂こうが元を超えた独創的な絵を描けば問題なかった。多くの画家は多かれ少なかれみな誰かの描いたものを模倣しながら前進するのですから。。。

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〔下手〕を装ったルソーの自画像

 

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日々のつぶやき」カテゴリの記事

コメント

審美眼に欠けている私はA・ルソーが苦手です。
”変な絵だな”という印象が刷りこまれているので「美しいなー」とか「感動するなー」という思いが湧いてこないのです。
ただ、ルソーのある作品のことが、深田久弥の書いたもののお陰で強く刻みこまれています。
久弥が3人連れで群馬県・上野村から「ぶどう峠」を越えて信州・川上村に入ったときの紀行です。
峠を越えた時、空にポッカリ浮かんだ雲を見上げ、同行者の一人が
”アンリ・ルソーだね”
と言うと、もう一人の連れがすかさず
”ドアニエ(税関吏)の雲か”
と、応ずる場面に久弥が感心する場面です。
税関吏だったルソーの「私自身」という肖像画のことをさりげなく話題にできる教養の深さ・・・。
これが私のルソーについての唯一の知識です。

投稿: 風花爺さん | 2012年6月 8日 (金) 14時24分

あはは、以前見たテレビ番組でもそう伝えてましたが、とにかく人の心を掴む作品を生む天賦の才能は
素晴らしいです。
おキヨさんだって、いつまでも吉永譲の美貌を
保ってるのも一種の才能?

投稿: バルおばさん | 2012年6月 8日 (金) 23時56分

おキヨさん、こんばんは。
数日ぶりにお邪魔させていただきました。
アンリ・ルソーについて、そのような興味深い
事実がわかってきたのですね。
とはいえ、私にとってのルソーの絵の魅力は
やはり変わらない気がします。
〝絵というものは描く人の人間性を否応なしに表す〟という
おキヨさんの言葉、きっとそのとおりなのだろうなと感じます。
フラメンコなどを踊っていて、踊るということは、
どこか精神的に裸になるようなところがあるなと
感じましたが、それと同じように、その人が描く絵は、
その人の内にあるものをさらけ出すのかもしれませんね。

投稿: hanano | 2012年6月 9日 (土) 00時33分

風花爺さん様
以前は私もルソーの絵を本などで観ていて、おかしな絵だなと思いました。特に人物、子供の絵など気味悪い感じを受けたものです。どこか作為的なものを感じましたね。
ところが、実際の絵〔眠るジプシー女〕を目の当たりにして衝撃を受けました。
こんなに夢のような神秘性を持った絵はほかに観たことがないと思ったのです。〔蛇使い〕なども同じ雰囲気ですね。

ですが、私も風花さん同様、巨人のような可愛げのない子供の絵や、そそり立つ自画像などはどう説明されても好きではありません〔苦笑〕

ルソーの描くものは現実味を欠いていて何か夢のようなんです。ぽっかりした雲を見て〔アンリ・ルソーだね〕といった方の表現は素晴らしいですね。

投稿: おキヨ | 2012年6月 9日 (土) 01時12分

バルおばさん様
今の絵画の世界では独創性がなにより重んじられますから、基本を飛び越えてとにかく〔人目を引くもの〕を描きたがる人が多いですね。絵描きも野心のあるうちはいろいろと大変です。
私などは〔無い袖は振れぬ〕の口であきらめが肝心と悟りましたcrying

投稿: おキヨ | 2012年6月 9日 (土) 01時25分

hanano様

芸術家達の、凡人では計り知れない特異な性癖は知るほどに面白く興味深いです。その特異性が素晴らしい芸術を生むと思えば何事も許されるような・・・happy01
フランスに滞在しておられた貴女はルソーの絵を多くごらんになったことと思いますが、非常に神秘的な絵と朴訥な〔下手?(^^ゞ〕な絵とあるのにお気づきだと思います。〔わざと?〕下手な絵を恐れずに大真面目に描きあげるルソー自身も神秘的な人ですね。

まさにおっしゃる通りで、私なような下手な絵描きは美術館に展示された自分の絵の前に立つのは裸の自分をさらしていると同じ感覚です。〔実際裸婦を書いているのでなおさらですね。爆〕

投稿: おキヨ | 2012年6月 9日 (土) 01時48分

ずっと以前、都内でやっていたルソー展を見に行ったことがあります。
あの不思議な世界には、何故か惹かれますね。(^ァ^)
 
生え抜きのプロ画家ではなかったせいなんでしょうか、他に類を見ない(一昔前に流行った、所謂「ヘタウマ」とも違いますよね)唯一無二の画風。
例え見たことのない絵であっても、ルソーの作だと、直ぐに察せられる確かな個性とオリジナリティ!
私は結構、ルソー好きのようです。(^ァ^)
 
どこか静謐さを感じさせられるルソーの絵ですけれど、クラシック音楽とは取り分け相性が好いようで、CD/LPのジャケットを飾っている例を幾つも見た記憶があります。

投稿: もとよし | 2012年6月 9日 (土) 19時21分

もとよし様
ルソーはセザンヌ、ルノアール などに次ぐ日本人の好きな画家の一人なので、展覧会を観る機会が多いですね。

私は〔眠るジプシーの女〕の前でしばらく動けない状態になりました。
また多くのジャングルの絵を描いていますが、私はルソーが実際にジャングルなど全く知らないままに描く意味が解る気がします。現実の俗性が少しでも入り込むのを嫌ったのではと思うのです。
静謐・・・地球ではなく別の星の絵ですよね。

音楽とルソー。。。うなづけますgood

投稿: おキヨ | 2012年6月 9日 (土) 23時38分

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