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〔職業としての小説家〕を読み終える

村上春樹の〔自伝的エッセイ 職業としての小説家〕は今まで読んだ彼の人気作品とはまた違った味わいの内容でした。

自伝的エッセイという題名通り、小説家としてデビューした当時からのこと、小説家としての考え方、活動、芥川賞やその他の賞についての考え方などを小説を書く合間に少しづつ書き溜めたものを12章にまとめたエッセイ集です。 

小説とは違い、読み終わった後、村上春樹という生身の人間像が浮かび上がり、私は特に〔ハルキスト〕ではありませんが、このエッセイ集を読んで、作家が特別な存在から少し降りてきた感じがして親しみをおぼえました。

文章は、たとえば普段あまり読書などしない人が読んだとしてもとてもよく解る丁寧な書き方で、作家がいかに読者を大切に思っているかが感じられ好感が持てます。 

このエッセイでも先輩作家達から受けた厳しい批評、批判など受けた当時の気持ちを率直に書いていますが、もとより彼は日本の文壇とは肌が合わないことを感じていて、そのことで悩むより先に世界をマーケットに選んだということになるようです。

個々の名を私は挙げることはできませんが、画壇でも国内では受け入れられず海外でその才能を見出された画家もいることはたしかで、日本の文壇と画壇の体質はなんとよく似ているものよと思いました。

Photo

村上春樹 装丁の画像は奥様が撮影されたようです。

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読書」カテゴリの記事

コメント

その業績が日本国内より、海外で高い評価が得られることはさまざまな分野でありますね。
そのために科学の分野ではずいぶん優れた頭脳が海外に流出するなど、目に見えない損失を生んでいるようです。
良きにつけ悪しきにつけ、島国日本が長い歴史で築いてきたこれも一つの伝統なので、簡単にはかわらないでしょうね。
ガラケー(ガラパゴスボス携帯)などと自虐的な言い方とか、難民受け入れに対する姿勢とかに見られるように、本質的な意味での日本の国際化の道はまだまだ遠いものと思えます。

投稿: 風花爺さん | 2015年12月21日 (月) 06時50分

スミマセン、訂正です!
ガラパゴスボス・・・なんのこっちゃ?
ガラパゴスです。
変換ミス、ミスタッチ、チェック洩れetc・・・
いつになっても直りません。

投稿: 風花爺さん | 2015年12月21日 (月) 07時03分

風花爺さん様

私もそう思います。
日本人は繊細で礼節を重んじると云われる反面、異質な人に対する目は厳しいですね。それが傑出した人間にはさらに嫉妬という厄介な感情が絡んでいっそうややこしいものになってしまいます。

化学医学の世界も、優れた人物が世界で活躍している例を考えれば似たようなものでしょうか。

国際的という面で考えれば、日本人はまだまだのようです。それが各○○界となると、じつに保守的な面が如実で、それがその界の衰退を招いているということもあります。

投稿: おキヨ | 2015年12月21日 (月) 11時33分

風花爺さん様
同様です。
今〔人減象〕に気がつき、あわてて〔像〕に直しました^^;

投稿: おキヨ | 2015年12月21日 (月) 11時37分

あ・・・今度は〔人間〕とすべきところが〔人減〕になっている。。。゚゚(´O`)°゚

投稿: おキヨ | 2015年12月21日 (月) 11時40分

「ハルキスト」…、そうなんです、この言葉が私を
彼の作品から遠ざけている気がします。
エッセイは本質を表すのかもしれませんね。

そうそう私もご主人様と同じく「私の方がカーナビ
より詳しい」派?です。付けてから余計そう思います(その自信はどこから?)

投稿: バルおばさん | 2015年12月21日 (月) 22時42分

村上春樹さん、ノーベル文学賞候補と言われながらなかなか受賞できませんね。
私は、文学の良し悪しを言えるような知識はありませんが、日本人として受賞してもらえたらうれしいですよね。

投稿: ギター弾き | 2015年12月21日 (月) 23時05分

バルおばさん様
私は〔1Q84〕という長編が出るまで村上龍と春樹を混同していて〔なに!春樹?〕。。。書棚を探したらしっかり本でいましたcoldsweats01

お爺もともと地図マニアなんです。カーナビごときに負けられないと粋がってはいるが、コンピューターシステムを使いこなすことに自信がないのですよ。smile

投稿: おキヨ | 2015年12月22日 (火) 09時57分

ギター弾き様
このエッセイを読むと、著者は賞というものに対しあまりこだわりが無いようです。

自分は小説家であり、この職業がこよなく好きというだけで、自分の書いた作品を世界の多くの人に読んでもらうのが最大の喜びということです。これはきれいごとではなく、本心のようです。

となると、読者が彼がノーベル賞を受けることを喜ぶのであればこの賞は嬉しくないはずはないですよね^^

投稿: おキヨ | 2015年12月22日 (火) 10時06分

おキヨさん、こんにちは

読者を大切に思っている!全く正反対かと思っていましたので、これには驚きました。食わず嫌いかも知れませんが、「風の歌を聴け」このタイトルには憧れや期待が大きく読んだことがありました。その後は本屋さんでベストセラーとして沢山の本が眼につきましたが、村上春樹の独創的な表現、本の厚さなど多くのアレルギーがあって、つい他の本を手にしてしまいますね。

投稿: 岳 | 2015年12月22日 (火) 13時39分

岳様 こんばんは。

このようなエッセイが著者の人となりを想像するのに適していますね。とてもまっすぐな気持ちで書かれていることが素直に伝わってきます。

これでもこの作家を嫌いな人は斜め視するでしょうね。それはそれで致し方ないでしょう。

私はまず無の気持ちで作品を読み、その一冊が自分の好みであれば引き続き何冊か読みます。
でも他の作家の本も読みたいし・・・delicious

投稿: おキヨ | 2015年12月22日 (火) 17時05分

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